プライムタイム エミー賞(ゴールデンタイムのTV番組の賞)の期待も高い、
The Old Man(ザ・オールド・マン〜元CIAの葛藤)シーズン1の配信開始で
主演のジェフ・ブリッジスに興味を持った人もいると思います。
ショウビズ家庭に生まれ、赤ちゃんの時にスクリーンデビューして以来、
多数のノミネートと受賞歴を持つジェフ・ブリッジスの2022年現在までの7回のオスカーノミネート(2010年クレイジー・ハートで受賞)を授賞式映像とともにまとめました。
(ノミネートリストは読み上げられた順、黄色のアンダーラインが受賞者です。)
[俳優としての受賞とノミネート一覧]
初ノミネート(1972年)
ジェフは22歳、
ピーター・ボグダノヴィッチ監督のラスト・ショー(The Last Picture Show(1971))
ティモシー・ボトムズ演じる主人公ソニー・クロフォードの親友、
デュエイン・ジャクソン(Duan Jackson)役でノミネート。
Amazonプライム、dTVで配信。
受賞は同作品で”サム・ザ・ライオン”を演じたベン・ジョンソン。
- ジェフ・ブリッジス(ラスト・ショー)
- ベン・ジョンソン(ラスト・ショー)
- レナード・フレイ(屋根の上のバイオリン弾き)
- リチャード・ジャッケル(オレゴン大深林/わが緑の大地)
- ロイ・シャイダー(フレンチ・コネクション)
隣人は静かに笑う(Arlington Road(1999))の監督マーク・ペリントンがラスト・ショーについて語っています、
彼は本当にジェフがお気に入りのようです。
(「こちらブルムーン探偵社」のシビル・シェパードの映画デビュー作でもある。)
ラスト・ショーは8候補(監督賞、作品賞、脚色賞、撮影賞、
助演男優賞と助演女優賞(エレン・バースティン、クロリス・リーチマン))と
最多ノミネートで作品自体が高評価であり
ノスタルジアを誘う切ない名作とされていますが
ピーター・ボグダノヴィッチ監督は何を思ったか19年後(1990年)、
30年後(1984年)の設定でTexasville(邦題「ラストショー2」)を制作。
主人公はティモシー・ボトムズ演じるソニー・クロフォードからジェフのデュエイン・ジャクソンに変わり、
なぜか雰囲気もロマンチックコメディに。
残念ながらソフトがレーザーディスクのみで私は未鑑賞。
Texasville(邦題「ラストショー2」)にはコピーキャットのウィリアム・マクナマラも出ています。
2度目(1975年)
マイケル・チミノ監督のバディムービー、サンダーボルト(Thunderbolt and Lightfoot)のライトフット役でサンダーボルトからは唯一のノミネート。
サンダーボルト(クリント・イーストウッド44歳)について回る子犬のようなライトフット(ジェフ25歳)はラストまで名演でした。
しかし、ゴッドファーザーPART II勢強し。受賞はロバート・デ・ニーロ。
マイケル・チミノは天国の門(1980年)でもジェフを起用しています。
私はマイケル・チミノ作品ではイヤー・オブ・ザ・ドラゴンがお気に入り。
3度目(1985年)
- 第57回 アカデミー賞 主演男優賞
ジョン・カーペンター監督、制作総指揮をマイケル・ダグラスが務める
「スターマン/愛・宇宙はるかに」(Starman(1984))から唯一のノミネート、
タイトルロールのスターマン、スコットヘイデン役。
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受賞はオープニングから圧巻だったサリエリ役、F・マーリー・エイブラハム。
- F・マーリー・エイブラハム(アマデウス)
- ジェフ・ブリッジス(スターマン/愛・宇宙はるかに)
- アルバート・フィニー(火山のもとで)
- トム・ハルス(アマデウス)
- サム・ウォーターストン(キリング・フィールド)
個人的な話、私はここにきてやっとリアタイで観たものが出てきます。
私の初ジェフ作品はこれより3年前のトロン(Tron(1982))
(当時、まだ幼児で、なぜ字幕が読めていたか謎。内容は理解してた。)
インターネットで簡単に情報を探せることはなく
家にVHSがあってもレンタルビデオ店にはソフトが揃っておらず
子供が情報を得るには新聞の上映欄とTV放映の録画、
パンフレット、映画雑誌(スクリーン、ロードショー)(ジェフ情報を見た記憶ゼロ)を買って読むしかなく
オスカー授賞式放送も観たのは1992年が最初だったはず。
そんな時代に、しかも子供だったのでこの授賞式は今回初めて見ましたが
アマデウスとキリングフィールドが相手だったことを知って(アルバート・フィニーもシリアスドラマです。)
心温まるSFラブストーリーでの単独ノミネートはすごいと思いました。
1993年にフィアレス 恐怖の向こう側でジェフと共演しています。
フィアレス/恐怖の向こう側(洋画 / 1993) - 動画配信 | U-NEXT 31日間無料トライアル
4度目(2001年)
女性上院議員を副大統領に指名するアメリカ合衆国大統領、
ジャクソン・エヴァンズを演じたザ・コンテンダー(The Contender(2000))。
指名される上院議員を演じたジョアン・アレン(主演女優賞)と共にノミネート。
すごく嫌な役で出演してるゲイリー・オールドマンが製作総指揮を務めています。
ジョアン・アレンとは「タッカー」(Tucker The Man and His Dream(1988))でも夫婦役で共演。
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受賞は「トラフィック」でティファナの麻薬捜査官を演じたベニチオ・デル・トロ。
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ベニチオ・デル・トロも受賞に相応しい演技でしたが
私はホアキン・フェニックスが受賞かなと思ってました。
ホアキン・フェニックスはリーフ名義時代から上手だなと思ってましたが
既に下記の95年辺りからオスカー受賞しそう感満載だったので
その後、いつ受賞するのか楽しみでした。(2020年に受賞「ジョーカー」)
- 「誘う女」(To Die For(1995)
- 「リターン・トゥ・パラダイス」(Return to Paradise(1998)
- 「8mm」(1999)
5度目 (2010年)受賞
第82回アカデミー賞 主演男優賞
ジェフは22歳の若さから何度もノミネートされては受賞ならずで
長いこと「ハリウッドで最も過小評価されている俳優」で有名でしたが
ここまで順番に見て、実際には「過小評価」ではなかったと思います。
確かに結果は「受賞ならず」ということになってしまうのかもしれませんが
誰が受賞してもおかしくない中に何度も選ばれるだけでも、すごいこと。
とはいえ、長年の一番の推しが受賞する姿を見られるのは単純に嬉しかったです!
しかも、受賞以降、ティーザートレイラーなどさまざまな場所で
Academy Award NomineeでなくAcademy Award Winnerを見る度にニヤつけるという
とてつもない親バカ気分も味わえます!😍(授賞式は100回以上観た。)
クレイジー・ハートのことはここにも書いています。
6度目 (2011年)
第83回アカデミー賞 主演男優賞
受賞翌年もトゥルー・グリット(True Grit)でノミネート。
「ビッグ・リボウスキ」で組んだコーエン兄弟が監督、製作総指揮はスピルバーグ。
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トゥルーグリットは1969年の「勇気ある追跡」のリメイクと思われがちですが
コーエン兄弟は「チャールズ・ポーティスの原作の再映画化であり、リメイクではない」と答えていて(1969年版とは結末も違います。)
ジェフも「ジョン・ウェイン版は参考にしていません。」と言っています。
I didn’t refer to the John Wayne movie.
引用:Interview: Jeff Bridges on Oscar success and following in John Wayne's footsteps
(意図はないそうですが眼帯もジョン・ウェインとは逆(右)側につけています。)
コーエン兄弟や反差別を表明しているスピルバーグやジェフにとって
ジョン・ウェインは”支持できない人物”の可能性はありそう。
受賞者は前年も「シングルマン」でノミネートされていたコリン・ファース。
この年、ジェフは主演女優賞のプレゼンターも務めています。
受賞はナタリー・ポートマン(ブラックスワン)。
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7度目 (2017年)
「最後の追跡」(Hell or High Water)で定年退職前のテキサス・レンジャー、
マーカス・ハミルトンを演じてノミネート。
原題の’Hell or High Water’は
”come hell or high water”(何があろうと、何が起こっても)という意味。
受賞はムーンライト(Moonlight)のマハーシャラ・アリ。
youtu.beマハーシャラ・アリはオークランド出身のアメリカ人、
ムスリムとして初の受賞者になりました。
いつも理知的な物腰の人だなと思っていましたが
この時もステージに向かう途中、
肩を叩いたジェフのとこに戻って握手してくれるのが、とてもスマートで素敵。
- マハーシャラ・アリ(ムーンライト)
- ジェフ・ブリッジス(最後の追跡)
- ルーカス・ヘッジス(マンチェスター・バイ・ザ・シー)
- デーヴ・パテール(LION/ライオン〜25年目のただいま)
- マイケル・シャノン(ノクターナル・アニマルズ)
ムーンライト、製作はA24とブラッド・ピット所有のPLAN B エンターテイメント。
(ブラッド・ピットが製作総指揮に参加。)
時期によってフィルムを使い分けた色彩が美しい映像で淡々と描かれていますが、
研ぎ澄まされた少ない台詞と間合いが秀逸でした。
マハーシャラ・アリは2019年も「グリーンブック」で助演男優賞を受賞しています。
気品ある知性派天才ピアニスト役がマハーシャラ・アリにぴったりでした。
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